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「魔王ディノダイモス、覚悟しろ」
10年後のディスピナ大陸からタイムスリップして10年前の魔王城にやって来た勇者アルタナは身の丈の倍はあるバスターソードとウージーのマシンガンを構えた。
「つか、お前誰だ?」
「お前に倒された、勇者パーティーの勇者だ」
「知らんがなっ!」
ディノダイモスは、ハナクソをほじりながら一蹴する。
「俺はお前に殺されかけたがな、10年後のテクノジーで体のほとんどはサイボーグになった。お前は腹筋に穴を開けることは出来ん」
「試してみよう」
ディノダイモスは、空中にそれぞれ長さや刃の形が異なる槍をたくさん出現させると、それを勇者アルタナに向けて解き放った。
「弾道予測システム"プロフェシー"にオンライン」
アルタナは義眼に埋め込まれた装置に音声入力すると視界に「ナウローディング」とメッセージが表示され、ダウンロード中のメーターが溜まり始める。
「プロフェシーは、被弾確率が最も低い座標を割り出す。そこへスロー装置を使って移動すれば良いだけだ、来いっ!」
ディノダイモスの玉座から放たれてくる槍を、
「右っ!」
「左っ!」
「右っ!」
「左っ!」
と回避しながらアルタナは華麗にディノダイモスに近づく。
「やるじゃん勇者の分際で」
「そっちこそ魔王の分際で」
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