1・スマホ小説始めました

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 「流石は子供の考えることだ」  翌朝。  優也と優成が新しく追加した、文法作法を完全に無視した3ページ目を眺めながら、慶太郎は出社中に目を丸くした。  「アゲポニョ、スニカって何語だ」  (と言ったところで何語でもなさそうだし、特に意味なんてなさそうだな、何を言ってるのかもさっぱりわからないし)  「人食い魔法陣もどういう発想だ」  (スマートフォンでラインに使ってた顔文字が、多分そのままキャラクターになったんだろうな、こんなこと普通の子供ですら考えないけど、うちの子は何か違うんだろうな)  「やっぱり文法作法を一から......」  国語、もとい慶太郎に似て勉強は二人が一番嫌うもの。口にした途端家族一丸となってする執筆は、台無しになってしまう。  「物語のプロットから教えるか」  それも"勉強"だと思うと、どうやってここから物語の続きを書くべきか、慶太郎は額に手を当てて溜め息を吐く。  「本田さん、おはようございます。子供の勉強のことで悩んでるですか?」  後ろから声をかけて来たのは、後輩の新城遼子(あらしろりょうこ)だった。  「ああ、おはよう。そうなんだ、どこからどう教えて良いのか悩むよ、て聞いてたの?」
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