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「流石は子供の考えることだ」
翌朝。
優也と優成が新しく追加した、文法作法を完全に無視した3ページ目を眺めながら、慶太郎は出社中に目を丸くした。
「アゲポニョ、スニカって何語だ」
(と言ったところで何語でもなさそうだし、特に意味なんてなさそうだな、何を言ってるのかもさっぱりわからないし)
「人食い魔法陣もどういう発想だ」
(スマートフォンでラインに使ってた顔文字が、多分そのままキャラクターになったんだろうな、こんなこと普通の子供ですら考えないけど、うちの子は何か違うんだろうな)
「やっぱり文法作法を一から......」
国語、もとい慶太郎に似て勉強は二人が一番嫌うもの。口にした途端家族一丸となってする執筆は、台無しになってしまう。
「物語のプロットから教えるか」
それも"勉強"だと思うと、どうやってここから物語の続きを書くべきか、慶太郎は額に手を当てて溜め息を吐く。
「本田さん、おはようございます。子供の勉強のことで悩んでるですか?」
後ろから声をかけて来たのは、後輩の新城遼子だった。
「ああ、おはよう。そうなんだ、どこからどう教えて良いのか悩むよ、て聞いてたの?」
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