1・スマホ小説始めました

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 「やったー!」  優也と優成は声をあげて歓喜する。  「子供たちは説得出来ても、私はイエスとは言いません、それでもやると言うのなら......」  別れます。と言い淀んだが、投稿小説が原因で離婚するのは大人げない。そう感じた挿絵は言葉を変えた。  「私のメリットはなに?」  「お金が手に入れば、この子達の養育費や生活費が助かるだろ? 挿絵だってパートじゃあベースアップやボーナス無いんだし、お金がカツカツじゃないか」  「パートを馬鹿にした?」  「してないしてないっ!」  「正社員だって、何年経ってもうだつがあがらない子はいるのよ。それと比べたら私なんてマシな方だと思いますけど、あなたには分からないわよね?」  「それ言われると辛いな」  「最初に言ったけど、私は時間がないの。そこをどうするつもり?」  「無ければ、書けるものにザッと書いて置いてくれたらぼくが代筆するよ。メールでもラインでも紙でもなんでも良い」  「分かった、その気になれば"家を出ます、探さないで下さい"と書き置きしてあげる。もし授賞出来なかったらどうする気?」  「どうするって......」  授賞するまで続けるしかない。と言うのが慶太郎の考えだが。  「先の事ばかり考えるのはよそう。それより、投稿小説を通じて子供たちにものを作る本当の楽しさを、まずは知って貰おう」  「ママだけ仲間外れはいやだよ」  「ママも一緒にやろうよ」  優也と優成は、挿絵の細い脚にしがみついて懇願した。  「しょうがないなぁ。ママもするか!」
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