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「ぼくの希望はそうだな、書くなら誰も書かないようなのが書きたいな。例えばホームレスが一年発起して巨大企業のトップに登り積めるヒューマンドラマとかどうかな?」
「堅そうで退屈そうな話!」
優成が開口一番に反対する。
「そんなことはないぞ、ちゃんと努力することの大切さや世間の厳しさとかのテーマや、メッセージ性はあるだろ?」
「それじゃ上から目線だよ」
優也も反対した。子供からすると大人の話しは上から目線に感じてしまうようだ。
「分からないから教えてやろうじゃ、教科書と一緒だし」
「小説は、教科書じゃないんだから、何も考えずに楽しめる話しの方が良いと思うよパパ」
「確かに、小説はエンタメでもあるが、知識の泉でもあるんだよ。そこで初めて知ることも沢山ある」
「ふーん、楽しむためにしてるのに勉強させる訳? あなたもクリエーターのプライドは忘れて楽しむことを覚えた方が良いんじゃない。折角家族一丸となって取り組むことなんだから、楽しまないと損だし」
見かねた挿絵は、そう言って締め括った。
「それ、すっかり忘れてしまってたよ。何時までも議論していては物語が前に進めないな。今から執筆に取り掛かろう」
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