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私は緑の光に包まれてしまった。
光を解除しようと抵抗してみるが、
もう私の一部はその男に支配されてしまっていた。
「吸弔腑刷っ」
男がその声を発した瞬間、
私の身体は一気にその男の中に吸い込まれてしまったようだった。
男に飲まれる時、
私の身体は小さく押し潰されているはずだったが、
そうした感覚は無く、
意識だけがそのまま残っている感覚だった。
そしてこれが在世から消える直前の感覚だった。
――私は、
在世を生きる少年の無意識の中の意識から転世された、
不在世と呼ばれるところで生まれた。
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