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生まれた、
という感覚は無く、
気づいたらそこにいた、
という方が感覚的には合っている。
不在世に生きる私は、
どうやらその少年と親しい女の子が原型になっているようで、
その女の子は私と瓜二つだった。
ただその女の子との違いは、
私は殻のような存在であり、
意識はあるのに意思はないという感覚を持っているようだった。
この感覚は、
不在世に生きる存在からすればどうやら稀なようで、
この少年のおかげで持つことができる感覚のようだった。
気づいた時からこの少年の側にいた。
そのほとんどが、
その女の子のことを考えている時だった。
時々、
その少年が寝ているときに私の意思で動いているときもあった。
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