消えてしまう前に・・

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生まれた、 という感覚は無く、 気づいたらそこにいた、 という方が感覚的には合っている。 不在世に生きる私は、 どうやらその少年と親しい女の子が原型になっているようで、 その女の子は私と瓜二つだった。 ただその女の子との違いは、 私は殻のような存在であり、 意識はあるのに意思はないという感覚を持っているようだった。 この感覚は、 不在世に生きる存在からすればどうやら稀なようで、 この少年のおかげで持つことができる感覚のようだった。 気づいた時からこの少年の側にいた。 そのほとんどが、 その女の子のことを考えている時だった。 時々、 その少年が寝ているときに私の意思で動いているときもあった。
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