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●わかり難い系男子?
「ハナガミ?」
綺麗に建て直された神社に重低音が響く。
それを聞いた僕――空間葵は、薄手のワンピに合わせたポーチからティッシュをとり出すと、声の主である赤井真へと差し出した。
でも、真はソレを受け取ろうとはしなかった。というか、その巨体は境内片隅にある石碑の前で止まりこちらを見てすらいない。
どうやら、いまのはちょっぴり大きな独り言だったらしい。彼と一緒にいると、よくある事なので僕個人としてはあまり気にならない。
彼の右隣まで移動すると、その視線の先を追ってみる。
するとつぶやきの解答を不完全ながらにも得る事ができた。
石碑にしっかりと刻まれているのだ、『華神』という文字が。
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