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生命のゼンマイ
ここに一柱の神様がおられます。人の生き死にが正しく行われているかを監視することが担当ですので、さしずめ死神さまみたいなものでしょう。ただし、勘違いされては困るのですが、人の生き死には、この方が勝手に決めているわけではありません。ひとり一人には寿命というものが予め定められており、それに従っているだけなのです。
今回のお話で主人公となる神さまを、ここでは仮に死神さまと呼ばせていただくのですが、その職場には世界中の人間と一対一で対応する機械人形が置かれています。死神さまは、その動きぶりを見ているわけです。これらは、ゼンマイ仕掛けの玩具なので生身の人間のように複雑な動きをするわけではありません。それでも寿命に余裕のある人のものは元気に、死期が近づいている人のものは鈍くなるぐらいの対応はあるようです。
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