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念話ギルド
念話者ゴッセンは顔をあげた。
男がひとり、ギルドの入り口に立ち、中をのぞきこんでいる。
ゴッセンの目が細くなった。
目が見開かれる。
なんという”オーラ”の強さ、そして色であろう。このような”オーラ”を発散している相手を、ゴッセンは初めて見た。
”オーラ”は魔法の修行をつんではじめて目にすることの出来る現象だ。魔法の修行が深まれば深まるほど、そして魔法のちからが強ければ強いほどその”オーラ”の輝きは強く、そして色彩も鮮やかなものになる。
男の”オーラ”は五色の完璧な色彩を持ち、さらにあたりを圧するほどの強さを持ち合わせている。
これは粗略にすべき相手ではない。
ゴッセンはじぶんの”オーラ”をよく承知している。薄暗い赤の、ほとんど目立たないほど弱々しい”オーラ”で、初めて自分の”オーラ”を目の当たりにして、ゴッセンはじぶんの運命を悟った。
かれはその日から念話者の修行に入った。
ここ、念話者ギルドにはゴッセンのような最弱の”オーラ”しか持たない魔法師ばかりが所属している。
男はまっすぐゴッセンめざし進んでくる。
ゴッセンがこのギルドの長老であることを承知しているかのようだ。
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