念話ギルド

3/10
前へ
/683ページ
次へ
「わたしはこの町の評議会に、魔法防備の件で協力を要請され、やってきたものだ。わたしにはこの町の問題点がよく判っている。それでいまから評議会に出席しなければならないのだが、ひとつあんたにも出席してもらいたい」  さらなる男の申し出に、今度こそゴッセンは天地がひっくり返るほどの衝撃をうけた。  評議会に出席?  このわたしが?  目をぱちくりさせるゴッセンに、男の発した言葉はさらに衝撃をあたえた。 「その前に……」  ゴッセンを見つめる男の顔が紅潮した。 「わたしに念話を教えてもらいたい」 「ええっ!」  思わず大声を上げ、ゴッセンはあわてて口を押さえた。ギルドに念話を頼みに来た客や、念話者がいったい何事であろうかとこちらを見ている。 「失礼しました。あまり驚いたので……」  そう言い訳し、ゴッセンはいきなり噴き出した額の汗をぬぐった。
/683ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加