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「これじゃあもうお手上げだんべ。
なにかあるのは明白なんだけれども、
村のだれに聞いても、これ以上なにも話してくれねえだ。」
ゲンタくんが悲痛の叫び声を再びあげたときに、それを聞きつけてか、ムロくんがようやく来て言う。
「おうおめえたちちんたらやってんな。
こういうんはもっとアタマ使わねえとダメだぞ。
マユツバもんでもいいからいろんなもんにしがみついてみるんだ。」
「マユツバもの?」
ぼくがムロくんに疑いの目を向けながらそう発言すると、ムロくんはこの文明社会から隔離されたはずの村に不釣り合いなシロモノを取り出したのだった。
それは、奇しくもちょうど、カミサマが抱きついている近代的なモニュメントと同じ形をしている。
ただ、その大きさにだいぶ開きがあったが。
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