カミホシムラの謎を追え

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 それから、ぼくらのカミシマイ祭の秘密探しゲームはスタートし、ぼくたちはいろんな行動に出るのだった。 まずは、学校の先生にカミシマイ祭について聞いてみた。けれども、加美星小学校の先生たちはよそからやって来た人がほとんどで、加美星村出身の校長先生に聞いてみても、いつも我々を見守ってくださるカミサマに感謝をするためのお祭りだ、ということしか話してくれなかった。 しかたなく、ぼくはお父さんお母さんに聞いたのだけど、やっぱり校長先生と同じように、カミシマイ祭について概要を説明するばかりで、どうして子どもたちは参加できないのか、そして子どもたちがいない儀式の場でどんなことが行われているのか、詳しく聞こうとすると、お父さんもお母さんも固く口を閉ざしてしまうのだ。  翌日ゲンタくんとサクミちゃんにその様子を報告し、二人にも様子をうかがったところ、やはり同じような反応らしい。 今度は範囲を広げて、おじいちゃんやおばあちゃん、親戚の人たち、はては家族ではないご近所さんにまで聞き取り調査を行った(まあ村の人たち全員が家族のようなものだったけど)。 けれどもまったくみんな、そろいもそろって口を閉ざしてしまい、中には急に泣き出しちゃう人や、カミサマに向かってただひたすら祈るだけの人までいた。 カミサマをながめると、相変わらずモニュメントに抱きつきながら笑みをうかべていたが、その日の笑顔は心なしかいつもよりいっそう悲しげに見えるのだった。
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