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りょうちゃんは、明るくて元気で活発。
小学生の頃からそれは変わらなくて、一緒に居ると自然と笑ってしまう。
そんな人だ。
好きになったのは、あっという間だった。
人は恋に落ちる瞬間、稲妻に打たれたかのように体中がビリビリするという。
私は、その言葉を小学生で体感したのだ。
小学4年生の遠足。
みんな並んで歩いているのに、1人列からはぐれてしまったことがある。
先生も友達も見えなくなって、1人で知らない道を歩いた。
学校に戻りたくても分からないし、前に進みたくても後ろに戻りたくても、自分がどこに行くか分からない。
そんな恐怖で動けなくなって、ついに道の端っこでうずくまって座ってしまった。
すると遠くから私を呼ぶ声が聞こえて、涙でぐちゃぐちゃの顔を上げると、りょうちゃんが汗だくで走ってきてくれたのだ。
私の目の前に来て、泣いている顔をまじまじと見つめられた。
恥ずかしさと安堵で、顔を隠す。
そんな私の手を無理矢理どけて、自分の手で私の涙を拭ってくれた。
ぐいぐいごしごし、こする力は容赦なくて痛かったけど、あの時は本当に嬉しかった。
あの涙を拭ってくれた瞬間、あの時私はりょうちゃんを好きになっていた。
先生たちのもとに行くときも、私の手をしっかり握りしめて引っ張ってくれたりょうちゃん。
手のひらの感触は今でも忘れられない。
あたたかくて、優しくて……少し震えていた。
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