モノローグ

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カタカタッ。 ビュゥウウ。 カタカタカタ。 ビュォオオオ。 ウチの建材が音を立てている。 今夜はかなり風が強い。 それに伴って、延々すきま風も激しく吹く。 「うう。寒いなぁ。凍えちゃうよ」 僕は毛布を被って寒さに対抗した。 2月半ばの夜風は相当に堪える。 家中が廃墟のように穴だらけだから、体感温度は外と変わらない。 「このままじゃ風邪ひいちゃう……ことは無いか」 昔の癖が抜けなくて、ウッカリ要らない心配をしてしまった。 不安の晴れた僕は眠りに落ちていった。 どんなに寒くても、病気どころか風邪ひとつ患うことはない。 だって僕は死んでいるのだから。 感染して一ヶ月ちょい、19歳の健康なゾンビなのだから。
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