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玄武海に五番稽古を付けて貰った。 玄武海が土俵を下がると、直ぐに鷲井は柄杓で掬った水を玄武海の前に出した。 玄武海は水を口に含む。 「鷲井だっけ?」 鷲井は頭を下げた。 「はい!」 玄武海は続けた。 「小さくても相撲は立ち合いだ。立ち合いに負けるな。鋭く踏み込むだ。 まあ、時には相手の芯を外す為に左や右に変わるのも相撲だ。しかし、それは踏み込みが一番重要だ。変化を狙って踏み込まず変わると持っていかれるぞ」 玄武海の言葉に鷲井は頷いた。 「はい・・・」 玄武海は笑みを浮かべた。 「まあ、何だ。諦めない事だな。俺だって横綱になったんだから。」 諦めないー その言葉が鷲井に刺さった。
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