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場所が近付くと、喜勢川部屋での稽古になった。 鷲井は幕下相手に胸を出す。 鷲井の後には喜泉錦が土俵に上がり幕下相手に胸を出した。 「どうだい?」 喜勢川は見学に来ていた19歳の朝切に聞いた。 「はい、鷲井関も喜泉錦関もそう体は大きくないのに、凄いです。」 朝切は素直な感想を口にした。 喜勢川は笑みを溢した。 朝切は高校で相撲を始めてインターハイベスト8に入った。相撲で大学に行ったものの、夏に馴染めなくて大学を中退した。 しかし、相撲が好きだという気持ちは残っていた。 働いていた建設会社の社長が喜勢川を紹介した。 「184㎝、140㎏だっけ?その体格も才能だ。どうだい?」 喜勢川の言葉に朝切は頷いた。 「九州場所を見てから決めるといいよ。」
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