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鷲井は慌てて土俵に上がる。 玄武海は笑みを浮かべた。 「君が俺より軽いのか。」 玄武海は135㎏で幕内最軽量だったが、128㎏の鷲井が入幕を果たし、幕内最軽量の座は鷲井となった。 鷲井は頭を下げた。 「お願いします!」 玄武海は腰を落とした。 「よし!やるか」 鷲井は深呼吸をした。 ー横綱だ。俺の相撲を横綱に! 立ち合いー 低く鋭い立ち合いは鷲井ー 玄武海はさらに低く踏み込むと、鷲井の体を起こすー 鷲井は廻しを掴みにいくが、玄武海は素早く鷲井を寄り切った。 「立ち合いは迷うな。下から相手を起こすような立ち合いだ。突き刺すような立ち合いだけでは大きい相手は持っていけないぞ」 玄武海はそう言うと、仕切りに戻る。 廻しを叩いた。 「来い!」 と胸を出した。
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