窓の中

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「は? なにが?」 「ゆ、ゆ……」 「まさか――幽霊」  黒木の言葉に俺はカクカクと首を振った。 「なに言ってんだよ」 「頭でも打ったのか」 「ほんとだ! 二階のトイレの前に! まっくろな、なんかわかんねえのが!」  黒木と戸田は顔を見合わせた。後ろにいた佐竹と山岡も頭大丈夫かって顔で俺を見ている。 「ほんとにいたんだ!」  もう俺は悲鳴になっていたかもしれない。黒木は「ふうん」と二階へあがる階段を見上げた。 「ほんじゃみんなでいってみようぜ?」 「よ、よせ、やめろ!」 「あららー、そんなこと言って。何もいなかったらまずいから」 「ほんとにヤバイんだって、二階は!」
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