小島さんはロボット。

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 その後も小島さんの生活は続き、大体の評価として、「人当たりが良く、勉強はそつなくこなせる優等生。但し運動と音楽は音痴。」というものに落ち着いてきた。運動についてはまあ機械と人間ではやはり差がある。音楽は意外だったが、最初にいきなりCDプレイヤーよろしく『フルオーケストラ』を歌い出したのにはびっくりした。怒られてたが。実際の声は合成音声なので、調整が上手くいかないらしい。  小島さんは怒らない。いつも笑顔で、ニコニコ対応。人の陰口は言わないし、かといって孤立するような行動も取らない。  小島さんは、毎日同じ顔で来る。髪の長さも、肌の色つやも、まるでハンバーガーを頼めば写真通りに来るように、同じ顔。作られた顔だから、当然なのだが。  小島さんの食事は変わっている。皆と机を並べて一緒に食べてはいるけども、その食べているものは何とも不思議な食べ物。黒くて、どろどろしていて、時折何か固形物が混ざっている。なんだか悪臭がしそうで、絶対美味しくなさそうなスープ?なのだ。それを一度皿に出し、そしてスプーンで食べる。機械なので美味しそうに食べるとか、そういう感じはない。最初は皆度肝を抜かれたが、まあそう言うものなのだと次第に受け入れていった。  どこからどう見ても、人間の女の子。いつしか、誰も小島さんが機械だなんて思わなくなっていた。
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