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ルーム
「では、こちらでお待ちください 尚、手続きが終わりましたらお呼び致しますので」
そう言うと係員はルームの使い方の説明をし、戻っていった
「ヘェー何かの体験ルーム的なやつか
確か、何かの情景を想像すれば体験出来るとか言ってたな」
早速試してみると、何の変哲の無い殺風景な部屋が光を放ち思わず目を閉じる
目を開けると、何処かの倉庫に隠れながら立っている俺がいた
覗き混んでみると如何にも怪しそうな連中が、5、6人程たむろしている
そこへ後ろから肩をトントンと叩かれる
「先輩、アンパンと牛乳買って来ました。どうですか?ヤツらの動きありましたか?」
「サンキュー 丁度腹減ってたんだ どうやらまだ動きは無いみたいだ…って何で刑事みたいな事やってんだ?」
何だかわからないが、つい乗っかってしまった
「先輩、何言ってんすか?れっきとした刑事ですよ
僕の憧れの先輩です」
何か本当に刑事になったのか?あ~そうか、これ体験ルームってこういう事か!なら完全になりきってみるか
「オイ!応援はまだか?応援到着次第乗り込むぞ」
如何にも刑事っぽい事言ってみた
「先輩、もう少しの辛抱ですんで突入はまだです」
銃を構え臨戦体制を取ると、そこへ応援がやってくる
「今だ 行くぞ!突入だぁぁぁぁ」
その掛け声で一斉に突入する
如何にも怪しそうなヤツは、次々と捕まえ残り一人となった
応援の一人が俺に声をかける
「犯人の一人が逃げました 本田刑事どうしますか?」
「俺は右を行く、お前は左へ…他は逃げられないように回り込め!」
俺、何気に格好いい事言ってるな
倉庫の奥へ進むと犯人が待っていた
「あんた1人とはね~ まぁいいや銃を下ろしな
じゃないとコイツの命がどうなって知らねぇ~ぜ」
そこには、人質がいた
人質に銃を突きつけ笑っている
「くっ 卑怯なヤツめ!」
これも醍醐味お決まりのセリフを言った所で、何のためらいもなく犯人に向かって銃を撃つ
「ガァッ 馬鹿なっ!?普通撃たねぇだろ」
そう言い残すと犯人は倒れた
「たまには、お約束じゃない刑事もいたっていいだろう?」
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