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「自殺で決まりだろうな」 「そうですね」 ここは有名私立高校、カンパネラ学園。 今日の放課後、ある女生徒が校舎の屋上から転落死するという痛ましい事故が起こった。 こういう場合、事故か自殺か他殺か、あらゆる可能性を視野にいれ捜査がおこなわれるものである。 だかしかし、刑事たちが「自殺」だろうとほぼ断定したのには理由があった。 「だってこれ、どう考えても『遺書』ですよね」 転落死した女生徒の胸に抱きしめてあった一冊のノート。 そのノートに遺書と思われる内容の書き込みがあったのだ。 死亡したのは、三年生の勅使河原(てしがわら)(めぐみ)。 屋上には学生鞄が置いてあり、下校前に屋上にいたと思われる。 「まずは担任の先生に話を聞かないとな。先生は職員室にいるのか?」 「放課後に一旦外出したらしいですが、もう戻られてるかと思います。行きますか職員室」 「ああ行く。それにしても外出、ねぇ…」 二人の刑事は転落現場を離れ、職員室に向かった。
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