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エピローグ
多くの者が魔法を使えた頃、人々は戦争に明け暮れていたが、それも既に過去の話。
かつて広大な領土を有していた某王国も今は近隣諸国と大差なく、唯一の誇れる点としては魔法騎士団の存在だった。未だに魔法使いを一種の職業というよりも軍事力として騎士へ育てることを怠らないが故に、王国は厳しい訓練を経た優秀な魔法騎士を多く有していた。
繁殖力のある魔獣も多くが絶滅間近で、神獣はほぼ伝説と化し、人々の技術も進んで、戦争から繁栄の時代へと移り行く中で、魔法騎士団の存在は前時代的な考え方とも囁かれていた。
これは、魔法騎士団の長い歴史が終わりを迎える、その少し前の時期を綴ったお話だが、必ずしもアエトス魔法騎士団の物語というわけではない。
歴代最強と謳われた孤独な少女と、元ギャングから騎士へと転身した青年が、戦いを経て、生きる居場所を獲得するまでの物語だ。
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