オルター・洋子「龍平洋漂流記」より 第5章 真摯な男たち

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北のカナリアたち(2016公開)      …豪華スター映画で演じた雪の中のお巡りさん 「探偵はBARに居る3」でも「蟹工船」でも感じましたが、松田龍平は雪景色がよく似合います。鼻先を少し紅くして、深く積もった雪中をザクザク歩いてゆくのがとても情緒が有るんです。「剣岳・点の記」はもちろん、「ナナ」の本城蓮でも、ドクターマーチン?的なブーツがなぜかスノーブーツに見えるほど雪が似合ってました。それは彼の顔立ち、肌の白さ、長身、すべてが「北方ツングース系」だからではないでしょうか。 …毛皮の縁取りのついた騎馬民族の衣装とトナカイの裏皮のブーツで鐙を踏みしめ、真っ白い雪原を黒馬で走り抜ける松田龍平は、どんなにかサマになろう…10代の頃から、世界史の時間に「契丹人」とか「パルチザン」とか聞くとウキウキした私は、もともとツングース系民族に憧れをもっているのかもしれません。  ツングースはもともと、シベリアから今の北モンゴル辺りを本拠地にする騎馬民族だそうです。何世紀もかけて南下し、中国北部から朝鮮半島を通り、日本にもその血は流入しているそうなのです。日本には南海から流入したマレー系の血脈もあるから、明らかに北と南、どちらの系統、と分類できる顔がありますね。だから外国人から見ると、日本は国土が狭い島国の割に、肌の色や顔つき体つきに、同じ民族と思えないほどの幅があるんだそうです。極東だから、いろんな人たちが流れ着いたんでしょう。  さて、ツングース系美貌の松田龍平は「北のカナリアたち」では北海道の孤島に赴任した若い巡査の役どころで、「お巡りさん」の制服姿です。たっぷりした濃紺のハーフコートも制帽もとても似合っていたけど、あれはやっぱり雪景色の中だから。小田急線沿線の駅前交番に居たら確実にビックリしちゃいます。
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