神様シッター

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「―――というわけでじゃ、こうして生み出された神を生み出した親ともいえる人間に預かってもらおうということを試みようと顕現してきたのじゃ」  私は、ことの経緯を目の前の青年に説明し、腕に抱いた小さな神を差し出す。 「いきなりあらわれて神様ですなんて言われてもなぁ。その上、そのちっこいのが俺が作ったゲームから生まれた神だってのか」 「あぁ、そうじゃ。おぬしの作ったゲームは素晴らしく、多くの人から神ゲームと称されるようになった。その結果生まれたのがこいつじゃ。自分の生み出した神ともなれば愛着もあれば消したいとは思わんじゃろ」 「とは言われても、要は世の中のユーザーから飽きられたらそいつは消滅するってことだろ?それを俺がどうこうできるもんでもねえよ。世の中には流行り廃りってのがあるんだから」 「おぬしの言い分もわかる。じゃが、一度生まれた神というのは、存在し続けるためだけなら多くの人からの信仰を得る必要はないのじゃ。たった一人でもいい、愛情を注いでくれる人が傍にいるのなら神は存在し、成長し続けることができる」 「…だがなぁ」  それでも渋る青年だったが、あくまでも試験的じゃ、難しく考える必要はないとだけ言い残し、私は無理やりその小さな神を置いてその場を去った。
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