教室

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目の前にいる貴方が好き。 眼鏡の奥の目、少し長い前髪、イライラするとクシャッと前髪をかき上げる仕草。 全部、好き。 でも、貴方は知らない…。 ただのクラスメイト。 話す事も関わる事もほとんどない、 ただのクラスメイト。 二人だけの教室の中で、イライラした仕草で私のことを見下ろしている。 「ほら、まずは…言うことがあるんじゃないの…。」 深く息を吐いてから、おでこを机にくっつけながら彼に促されるまま言葉を発する。 「この度は、クラス委員長である宮原の…宮原様のお手間をとらしてしまって申し訳ないです!」 「…良くできました。じゃぁ、始めるか…。」 鞄から教科書とノートを取り出した。 「本当にごめんね、宮原もテスト勉強しなきゃいけないのに。」 「いいよ、僕は帰ってからやるし。まぁ、教えるのでも勉強になるし。てか、鳴瀬はマジで頑張らないといけないんだろ?」 「そう、そうなの!!今回、赤点取るともぅいろいろまずいんだよね。で、先生に相談したら宮原に家庭教師をお願いしてくれたんだよね。」 「…はぁ、加藤先生は女子に甘いからな…。」 深いため息の彼を尻目に自分の顔がにやけているのが分かる。テストがやばいのは本当だけど、彼に教えてもらえるように持ってたのは秘密にしなきゃ。 「でも、あの先生なら自分で教えるっていいそうだけどな。」 「それは…言われたよ…。でも、加藤エロそうだからさ…。」 「まぁ、加藤先生と二人きりはたしかに危なそうかも。じゃあ、まずは数学からやるか。」
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