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あなたを待っていたあの川辺で、こうして私は想い出に浸る。
季節は反対側の春になった。
あの時と同じ風景なのに、水に映る色が変わっている。
やさしくあたたかく木々を揺らす風が、そっと私の頬を撫でる。
残されたオルゴールは、私があなたといたという証。
この重さが唯一の現実のようだ。
あなたがしたように、そっとねじを巻く。
最初の音はゆっくりとカチっと、エンジンのかかりにくい古い車のようにぎこちない。
そして、流れ出す教会の鐘のような音色。
この中で永遠が閉じ込められて回っている。
気に入っているんだよね。聴こえてる?
お腹に手を当てて、内側からの音に耳を傾ける。
トクン、トクン。そう、きっと。
終わりかけのカチカチと止まりはじめる音に呼応するように、君の心臓の音が私の中で響いてくる気がするの。
はめこまれた音符の川と小さな木馬たちが楽しそうにはしゃいでる。
いつかまた、あなたに逢える日は来ますか。
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