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私はずっと考えている。
なぜあの時、何もかも捨ててあなたについて行かなかったのだろう。
あなた以外に大切なものなんて、何もなかったはずなのに。
連絡がつかなくなって、会社に問い合わせてもわからなくて、書いた手紙には返事が来なかった。
宛先不明の手紙が戻ってきたのはひと月後のことで。
あなたは何処に行ってしまったの。私を残して。
秋は失う季節だ。そんなことは前から知っている。
空を見上げる。
遠いけれど繋がっていると信じていた空は、いつしか私の見える範囲だけでキリトラレテしまった。
ただただ真っ直ぐに進み続ける川と、絶え間なく回る回転木馬が、線と円を描いていく。
交わることもなく勝手に進み続ける。互いの行き先を示唆するように。
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