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「タイチー!」
「アルベルトさん!」
「アルって呼んでー♪」
辿々しいながらなんとかご挨拶し、腕をぐっと絡めてハグ。オープニングイベントのステージが超カッコよかったと伝えたら、来年あのステージに立つのは俺だって返された。
「今年は2位狙いに絞るよ。僕にはタイチのクワッドみたいな必殺技がないからね」
「そんな……」
「自覚した方がいい。君はビッグエアー1800時代の扉を開けちゃったんだ。次のシーズン……オリンピックシーズンはもう、1620では勝ち抜けないとみんなが認識した」
心臓がドクンと脈打った。そうだ。俺が飛べるジャンプをこの人たち、世界で活躍するライダーの皆さんが飛べない訳がないんだ。次のシーズンまでに一体何人が1800を飛ぶ事になるか。
俺がEXTREMESで表彰台に乗れる可能性……今回はみんなが濃厚だって言ってくれて自分でもミスしない限り大丈夫だと信じてはいるけど、これが最初で最後になるかも知れない。
柊のように進化し続けなきゃ置いていかれる……!
生き馬の目を抜くとはこの事か……!
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