氷の壁

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  『柊に何かあったら、俺なんにもできなくなる』 『約束しろ。俺に何かあってもおまえは飛べ』 『無理』 『俺が飛べなきゃおまえが飛ぶんだ。でないとFlyHighの看板が守れない』 『 ───── わかった』 自分が飛べなくなる事はいつも頭のどこかで考えていた。何が起きても不思議じゃないんだと。 俺が居なくてもタイチが居れば。そう思っていた。 俺は……タイチにこんな事が起きるなんて本気で思っていなかったんだ。きっとそうなんだ。 怖くてどうしようもなかったのに……それでも覚悟を決めて飛ぶのに…… リアルでこんな事が起きるとは考えたくもなかったんだ。
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