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─────……たすけて
タイチを助けて。
誰か……誰か。
「柊さんこっちへ!救急車が来ます!」
「救急車……」
「才賀さん、スタッフみんなをお願いします。逐一報告しますので」
「ああ、森、頼む」
会場スタッフが人波をかき分けながら俺をタイチの元へ連れて行く。足が。雪を、地上を踏んでいる感覚がない。ロジャーの力強い腕に引き摺られるように前へ進み続けた先には、担架の上で毛布に包まれ、顔が血に染まったタイチがいた。
「たいち……」
目が開かない。動かない。やっぱり動かない。呼吸すら……⋯…感じない。
「大丈夫、脈はあります。額を切っていますがちゃんと生きてます」
「生きてる……」
「しっかりして!大丈夫ですから!」
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