空がおちてくる

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  「ホールのシャンデリアと同じです……」 隣に座ったレオナルドが囁いてきた。ホールって西川家の?いや、アパートの玄関か。言われてみたらそう見える気もする。 灯りが醸し出すゴシックな雰囲気を更に煽るように、パイプオルガンが不穏な音色を奏でる。そして画面の中のシャンデリアがギィ…ギィ…と左右に揺れ始め、一際大きく振れたと思ったら大きな音を立てながら砕け落ち、また真っ暗になった。 「ミュージカル、オペラ座の怪人のようです」 「レオって物知り……」 「アオイと日本に行くと、必ずゲキダン・シキとタカラヅカ・カゲキダンを鑑賞するのです」 そしてその通り俺ですら聴いた事がある、オペラ座の怪人の有名なイントロがこれまた大音量で響き渡り、そのオルガンの音にストリングスとギターが、次いでベースとドラムが絡み始めた。交錯するライトがスモークの焚かれた舞台中央、さっき柊達が降りて行った辺りを照らし出し、そこからゆっくりと、毛皮のコートを羽織った人が上がってくる。 フードを目深に被った ──── あの人は。 「ファントム……」 フードを取ると、その下には更に仮面。左目を覆う小さな仮面だ。それがモニターに大映しになり、悲鳴のような歓声が上がる。やっぱり西川さんっ!!オペラ座の怪人からの『Anthem for EXTREMES』!ひゃ───! ! スッゲー鳥肌!!
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