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そして次の日,ミカンは再び脚を庇うようにして歩いていた。昨日とほぼ同じ時間帯に,廊下をヒョコヒョコと片脚が床につかないようにして歩いたかと思うと,激しく前脚を振り回してから一生懸命爪の間を舐めていた。
「ねぇ……お姉ちゃん……」
「なに?」
「あれ……。ミカン……見て」
「ミカンがどうしたの……?」
「また……変な歩き方してるよ……」
ミカンを見ると確かに変な歩き方をしていたが,それよりも気になったのはミカンがなにかを追いかけているような動き方をしていることだった。前脚を激しく振り回したかと思うと,何事もなかったかのように急に走り出し,なにかを捕まえようとしているのか突然飛び上がったりした。
しばらくミカンの様子を観察していたが,急に上の方を見上げたと思ったら視線の先へと走って行き,慌てて戻ってきたと思ったら尻尾を太く膨らませながら何かに警戒するかのように後ろを確認していた。
「どうしたの……? ミカン,なにかいるの?」
振り向いたミカンが口を微かに開いて,なにかを飲み込んだように見えた。そして尻尾を太く膨らませたまま,再び二階へと走って行った。
「お姉ちゃん,ミカン変だよ」
「そうだね……」
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