一歩進んで二歩下がる

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 「ねえ、この写真少しぶれてるよね?写真撮らない?二人で恋人記念ツーショット」  「えっ?本当ですか?」  嬉しそうに笑ってくれた、僕ももちろんうれしいよ。恋人二人で仲良くベッド、ハメ撮りでもしちゃうよね。  「じゃあ、ちょっと待っててください。着替えます!」  え、着替えます?着替えって?三つ揃えのスーツ出してきたっちゃよ。ああああ、違う。違うよ。  「え、二人でベッドの中で撮ろうよ、服は要らないでしょう?」  だって両想いでしょう?違うの?そりゃ恋愛経験値が低いのはわかるけれど、両思いだと知った時から、もう僕はもう準備万端なのに放り出すつもりなの?  「あの、それで私の忘れ物って?」  「忘れ物?僕のことでしょう!忘れて帰っていったよね、僕のこと放り出して帰ったでしょう」  「えっ!?」  「だから恋人とチュウの途中で帰るなんておかしいでしょ?」  「え、あれ途中だったのですか?」  ゴールはそこじゃないでしょう。運動会は十月、だからストーカー歴は既に四カ月のはず。  「僕でエッチなこと想像したことなかった?」  「あっ、あの」  良かった、ちゃんとしてくれていたんだ。じゃあ実践編といくのが普通でしょう。  「ねえ、僕はここ舐められるの好き。鴻池は?どこがいい?」     
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