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「あ、えーっと、初対面ではないよね?いつも定食屋で斜め後ろから見てるよね?帰り家までついて来たの今日がはじめてじゃないしさ」
「ああ、はい!いつも見ていました。綺麗な人だなと」
そこはちゃんと肯定するんだ。さらっと今綺麗とか言ったし。そういうこと言うのは平気なんだ。知らない一面見えて来てなんだかわくわくしてしまう。
「そう?ありがとう。僕ね君の眼鏡好きなんだよね、いつも食事の時曇って焦ってたのツボ」
「ともさん、何故私のことをご存知なのでしょう?」
やっぱり気が付いてないか。そして僕のこと「とも」と呼んでくれたのが嬉しい。見つめながら、鴻池の顔はやっぱり好みだなあと思う。
「鴻池ってさ、面白いね。じゃあ、そろそろする?」
窮屈だったネクタイをするりと外して、襟元を緩める。この首筋に噛みついてみたくない?痕を残してみたいでしょう?
「はい?」
「いや、恋人でしょう?そろそろセックスする?」
「……え?え、ええええっ?」
想定内の反応、まさか恋愛初心者の君をいきなり抑え込むことなんてしない、多分しないつもりだから安心して。
「まずはキスからね」
「はっ、はい」
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