くしゃみ

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くしゃみ

ついに僕は先輩が引退しても気持ちを伝えることができなかった。しかし先輩の卒業式が明日に迫り、僕は意を決することにした。 そんな今日も先輩と一緒の帰り道だ。 「先輩。今日くらいは、家まで送らせてください。」謎に明日への自信に満ちた今日の僕は強気だった。先輩は渋る。先輩送って戻ってくるらいどうってことないです。と詰め寄ると先輩は小さく口を開き、ごめんっごめんとくしゃみのように謝りながら、隣の家のお兄さんのことを話してくれた。 なんでも小学生の時からずっと片思いしていて、僕とはただのお友達なのに誤解されたくない。ということだった。 なるほど、いつも僕を心配してたんじゃなくて、理由をつけて帰らせないと行けなかったんだ。約2年一緒に帰っていてなぜ気づかなかったんだろう。 「やだなぁ先輩みずくさい、そうならそうと言ってくれれば相談くらい乗れたのに。」 先輩は笑う僕にいつものようなくしゃみじゃなくて、はっきりと 「ありがとう」と言った。
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