ー Sweet Honeymoon ? ー

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にんまりと、赤い唇が妖艶な微笑を刻んだ次の瞬間、レンの熱い楔に奥を穿たれて、奏真は仰け反りながら絶叫した。 「あああああああッ――!」 レンの吐息と甘い声が鼓膜を打つ。 「ソウっ……愛してるっ……愛してる!」 「あうッ、レンッ……あッ、もう出るぅぅッ」 「いいよっ……ほら、前も扱いてあげるから」 声が聞こえた時にはもう、レンに膨張した分身を握られていた。先端からあふれる忍耐の蜜で手が汚れるのもいとわず、レンが優しげな手つきで激しく扱き立てる。脊髄を突き抜けた強烈な痺れ。奏真は頭を振って身悶えながら、込み上げる射精感に体を震わせた。 「くぁあああッ……レンッ、はぁッ、ヤメッ、しごッ、扱いたらぁッ……!」 「キツッ……ソウっ、僕も限界っ……出すよっ、一緒にイこうね」 レンの熱っぽい声が鼓膜を弾いた瞬間、扱き立てる手の中で、硬くたぎった分身が一気に精を吹き上げた。 「レンッ――ぁぁあああああッ……!!」 「くぅッ……!!」 めまいがする程の快楽の中、奏真は欲望の全てを吐き出した。ビクビクと何度も腰を弾ませ、根元まで入り込んだレンの熱い肉塊を貪り尽くす。自身の熱い精の飛沫が、胸からあごの下まで勢いよくほとばしった。同時に、中でレンの脈打つ肉塊が精を放っているのがわかる。体内に雪崩れ込んでくるレンの欲望。それに応呼するかのように、大きな手に扱かれる自身の先からは未だにトプトプと白濁した精が漏れている。 「ハァ……あ……ゃ……止まらなぃ……」 「こっちも凄い眺めだよ……見てるだけでもう一回イケそう」  もう睨む力さえ残ってなかったが、それでも気力を振り絞って、奏真はレンを恨めしく見返した。これ以上やられたらアメリカの土を踏む前に極楽浄土へ召されそうだ。 「ハァ……ヤったら、許さない……ハァ、からな……早く手のヒモ、ほどけよ……」 「ん~……この絶景をもう少し眺めていたいんだけどな」 「ふざけんなっ」 奏真は本気で怒鳴った。けれど、レンは肩を竦めただけで、全く反省していない。名残惜しそうに体を離すと、優雅な動きで両足首のヒモをといてゆく。 「ハハハっ、わかったよ。ちょっと待ってて」 ようやく自由になった体を起こしかけたところで、奏真は顔を引きつらせた。腰に激痛が走ったのだ。 「イタタっ……!」 「あぁっ、ソウ大丈夫?」     罪の意識がないらしいレンを睨んで、奏真は思いっきり怒鳴りつけた。 「大丈夫なわけあるかッ、この変態ドS野郎! 船に着いてから毎日毎日人をオモチャにしやがって! 寝不足だわ体痛いわ最悪だッ……あッ、イっテぇ……!」 力んだ拍子にまた腰がグキっと鳴った。骨盤辺りに痛みが走り、奏真は腰を押さえて体を屈めた。それに慌てたレンが、腕を伸ばしたのは素早かった。 「ソウっ、大丈夫!?」 「触るなッ。風呂に入ってくる!」 「じゃあ僕も一緒に……」 「来るなよっ」 介添えの腕を押し退けると、奏真は片手でシッシとレンを追い払った。こんなことになったのも、全部このヘンタイ指名手配犯のせいだ。 「風呂ぐらいゆっくり入らせろっ」 「でも、その体じゃ髪洗うのも大変だと思うよ?」 「お前が言うなっ」 「だから、僕がお手伝いするってば」 「おわっ!?」 視界が上向いたのと同時に体が宙に浮き、奏真は短い悲鳴を上げた。その時には悔しくもレンにお姫様抱っこされてしまっている。無駄だとわかっていても、やっぱり抵抗せずにはいられない。 「レンっ、おいっ、下ろせよっ」 「そんな遠慮しないで。お風呂場まで僕が運んであげるよ。今日は外のジャグジーバスにしようか。お天気いいしね。大海原を見ながら露天風呂なんて最高だろ?」 「……………おい」 「うん?」 腰に当たる硬い感触。奏真は恨めしくチョコレートブラウンの瞳を見返した。 「下ろせよ」 「どうしたの?」 「レン……お前、またヤる気だろ」 「まさかっ」 とんでもないと言うように、レンは首を振った。 「いくら僕でもこんなに早い連戦はムリだよ」 「なら、どうして勃たせてんだ?」 尾骨に当たる異物は、欲情した男の正常反応(シンボル)だ。物的証拠を指摘され、観念したかと思いきや、レンの顔に浮かんだのは余裕の微笑。どうやら裏世界で暗躍する"シャドー・ディーラー"に、降参という概念はないらしい。軽薄に笑って弁解するその態度は、完全に開き直っている。 「ハハっ、バレたか。いや、だってさぁ、汗と白濁に濡れたソウの姿があんまり官能的だから、つい体が反応しちゃったんだよ」 「下ろせ! 今すぐ下ろさないと警察呼ぶぞ!」 「そんなに暴れないでよ。大丈夫、しないから」 「………本当だろうな?」 「もちろん。神に誓って」
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