あなたが私を嫌いな理由

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「分かっていたけれど、実際に彼女の口から言われると辛いものだな。」 とすでに通話が切れている受話器に向かって言った。 翌日、彼女と隼人が一緒に帰っているのを見た俺は、泣きに泣いた。道の真ん中で、涙が出なくなるまで泣いた。そんな俺を可哀想に思ったのか、同じ学校の1年の女子が俺にハンカチを貸してくれた。 その他にも彼女は俺が泣き止むまで、一緒に居てくれた。たったそれだけだが、俺にはとても嬉しかった。それから、俺は彼女に色々と相談をした。 彼女はとても優しく、俺の心に空いた穴を丁寧に塞いでくれた。そして、俺が高校3年生、彼女が高校2年生になった頃、俺は彼女に告白した。結果はOKだった。 その時の嬉しさはとても言い表せるものでは、なかった。だけど、その告白が成功した、1週間後に幼なじみが転校することになったのだ。半年前の告白から、俺は彼女とは完全に話さなくなってしまったので、彼女がこの町をいなくなる前日に知ったのだ。 俺は、急いで彼女に電話した。 「もしもし、お前、明日いなくなるの?」 「うん。」 「だったら言いたいことがあるんだけど、いや、大したことじゃないんだけど、最後だから、さようならぐらい、言おうかなと思ってさ、迷惑だったら、すぐ切るよ。」 「ありがとう、全然迷惑じゃないよ。」 「そうか、良かった。」 「あのな、そのー、今さら言いにくいんだけど、ごめんな、中学生の時にお前の告白を俺が恥ずかしいからって、普通だと嘘をついて。」 「こっちこそ、俊介が、頑張って告白してくれたのにあんなこといちゃって。」 「…」「…」「あはははは。」「ふふふふ。」 「あー、すっきりした、胸の中のもやもやが、取れた気がするよ。」 「私も。」 「じゃあな、また、どっかで会ったら、色々と話そうぜ。」 「うん、またね。」
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