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あの誓いから1年が経ち、
いつも通り二人で会話に興じていたある日の事。
ユズリハは突然血を吐いた。
むせて、顔を伏せて、大きなせきを一つ二つ。
瞬く間に私のベッドに大輪の華が咲いて、
彼女はそのまま意識を失う。
でも私は見てしまった。
崩れ落ちる瞬間、ユズリハがわずかに笑ったのを。
ナースコール!!!
私の通報を受けるなり、大量の看護師が部屋に突入してくる。
ぐったりと動かないユズリハをストレッチャーに乗せ、
すさまじい勢いで飛び出していく。
「そ、その。ユズリハは、ユズリハは大丈夫ですか」
「大丈夫よ、大丈夫。こういう言い方はよくないけれど
最近のあの子にはよくある事だから」
看護師の言葉が嘘である事。それは彼女自身が教えてくれた。
画面蒼白。予断を許さない状況という事だ。
自然と体が震えだす。
このままではユズリハの方が先に死ぬだろう。
そして私は残される。この地獄に、絶望の中たった一人で。
無理。そんなの耐えられるはずないじゃない。
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