第4章.終わりの始まり

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 あの誓いから1年が経ち、 いつも通り二人で会話に興じていたある日の事。 ユズリハは突然血を吐いた。 むせて、顔を伏せて、大きなせきを一つ二つ。 瞬く間に私のベッドに大輪の華が咲いて、 彼女はそのまま意識を失う。  でも私は見てしまった。 崩れ落ちる瞬間、ユズリハがわずかに笑ったのを。  ナースコール!!!  私の通報を受けるなり、大量の看護師が部屋に突入してくる。 ぐったりと動かないユズリハをストレッチャーに乗せ、 すさまじい勢いで飛び出していく。 「そ、その。ユズリハは、ユズリハは大丈夫ですか」 「大丈夫よ、大丈夫。こういう言い方はよくないけれど  最近のあの子にはよくある事だから」  看護師の言葉が嘘である事。それは彼女自身が教えてくれた。 画面蒼白。予断を許さない状況という事だ。  自然と体が震えだす。 このままではユズリハの方が先に死ぬだろう。 そして私は残される。この地獄に、絶望の中たった一人で。  無理。そんなの耐えられるはずないじゃない。
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