第4章.終わりの始まり

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『お父さんごめんなさい。  私、ユズリハのために死のうと思う』 『馬鹿な事を言うな!お前達はまだ若い!  二人して生き残る道はきっとある!』 『ユズリハはそうかもね。でも私知ってるよ。  私の病気は、臓器移植じゃ治らないって。  隠さなくてもいいよ。私の死は確定してるんだ』 『竜花……っ』 『今ここでユズリハが死んじゃったら、  二人して無駄死にになっちゃう』 『でも、ユズリハは臓器があれば生きていける。  死ぬのは私じゃなきゃ駄目なの』 『……なあ竜花、聞いてくれ。前にも言ったが、  お前の名前は竜舌蘭から取ったんだ。  いつか、花が咲くまで長く生きられるようにって』 『だったらなおさらこうするべきだよ』 『どうしてわかってくれないんだ!』 『……お父さん知ってた?竜舌蘭って花はね』
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