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二人で借りてたアパートなのに、彼は新しい女の所へ行ってしまい、私は家賃を払えず友達の家を転々とした……
でも、それも長く続かなくて、私は稽古の妨げにならないよう、時間の自由がきいて、割の良い仕事を探した。
結局、夜の仕事しか見つからなかった。
でも、悪いことばかりじゃない、劇団の本公演で重要な役を任された!
そして、舞台初日……
私は寝坊した。
前日に限って、指名が多く疲れていたからだ。
天気はあいにく雨で、傘を差しているのにずぶ濡れだった……
ぞれから……
それから、私は……
私は……
信号機……
赤……
でも、劇場は目の前だし、私はかなり遅れているッ!
これ以上、迷惑をかけられない。
幸いクルマは通ってなかったから、私は走って道を横切った………
「横断して、どうしたんですか?」
そんな……ウソ……ウソでしょ……
私……私は……
クルマに跳ねられた……
傘で視界が悪くて、クルマが近づいていたのに気がつかなかった。
私、ここにたどり着けなかったんだ。
舞台に立てなかったんだ。
「ごめんなさい、何て言えばいいのか……」
かまわない、何を言われたって私の運命は変わらない。
もう私は夢を追いかけることは出来ない、もちろん掴み取ることも……
あなたに夢はある?
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