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「全員会社の人。久我さん、蓮見、檜山、以上」
「点呼ちゃうんすから、ちゃんと紹介してください」
関西弁混じりのイントネーションで短髪の人懐っこい顔をした男性が、こちらへやって来た。
「夏川さんと一緒に住んでる双子さんですよね?」
夏川は私達の名字だ。
どうやら双子で一緒に住んでいることは伝えてあったらしい。
「俺が檜山で、一番後輩っす。
あの背ぇ高くて、髪長いのが久我さん、29才、彼女募集中なんで良い子いたら紹介してあげてください」
「ひ、檜山、僕はそんな彼女とか、大丈夫だから」
恐る恐る言う久我さんに対し、「言うたもん勝ちっすわ」と彼の肩を組む檜山さん。
うん、どっちが後輩か分かんないな。
「紗奈、もう部屋行ったら?」
颯汰が気を利かせたのか、そう声をかけてくれた。
「うん、そうする。みなさんゆっくりしてってください」
約一名以外は、と心の中で付け足し、そそくさと退散しようとしたそのとき。
「紗奈ちゃん」
呼ばれた!
…だがしかし、振り向かないぞ!
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