[プロローグ]

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「では、ひとつ問おう。お前は、人を殺したことがあるか?」 「………!?」  傍で見ていてもわかるほどの明らかな衝撃がユースの全身を貫いた。 「でなければ、これから人を殺す予定はあるか?」 「なっっ……!!」  ユースの動揺は、あまりにも正確に彼自身を刺し貫く。 「塔の中には、光と闇が存在する」 「……光と……闇……?」 「人を救いたいと思う心は光だ。そして人を殺したいと思う心は闇だ」 「…………」 「お前はどちらに属する人間だ? ユース」 「……僕は……」  ユースは何かに怯えるかのようにきつく唇を噛みしめた。
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