[ファルサ]

4/10
前へ
/72ページ
次へ
「部屋…じゃない……?」  そこにあったのは本当に単なる扉。階段と階段を区切るためだけの扉。  結局、扉の先に行っても何も変わらないのかと、肩を落としたユースは、ふと何かの気配を感じたのか顔をあげた。 「……誰?」  気配というのは、人だ。  ユースの視線の先にいたのは、彼より少し年長らしい、それでもまだ青年と言うには若干幼い顔つきをした少年だった。  名前はファルサ。偽りという意味の名を持つ少年だ。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加