[ファルサ]
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「部屋…じゃない……?」 そこにあったのは本当に単なる扉。階段と階段を区切るためだけの扉。 結局、扉の先に行っても何も変わらないのかと、肩を落としたユースは、ふと何かの気配を感じたのか顔をあげた。 「……誰?」 気配というのは、人だ。 ユースの視線の先にいたのは、彼より少し年長らしい、それでもまだ青年と言うには若干幼い顔つきをした少年だった。 名前はファルサ。偽りという意味の名を持つ少年だ。
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