第六章 恋の結末

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侑香の顔から血の気が冷めていった。 「え…声が、出ない?」 「喉の病気らしくて、最近も何週間か、学校来ていなかったんですよ」 昨日、自分が言った事を思い出した。 『何で、何も言ってくれないの?』 『直接言ってよ!』 草刈君は、何も言わない訳ではなくて、何も言えなかったんだ。 「来る様になってから、放課後も残って勉強頑張っていたみたいなんですけど、また今日病院へ戻ーー」 「病院どこ!?病気が悪化したってこと?やだ…草刈君、死なないよね!?」 「ちょっ、先輩、落ち着いて下さい…病院は確か、桐嶋病院ーー」 侑香は、その言葉を聞いた瞬間、走り出していた。 ーーそうか、草刈君から暫く返信が無かったのは…そういう理由だったんだ。私…何も気付いてあげられなかったーー。 昼御飯よりも、午後の授業よりも、今はただ、草刈の照れながら笑った顔が見たくなった。 スカートが捲れてもいい。 汗だくになってもいい。 一秒でも早く、草刈君に会いたいーー。
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