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元カノは魔王よりも怖い
「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!!」
俺は叫んだ。腹部に強烈な痛みが走った。
状況を簡単に説明すると、腹をナイフで刺された。ナイフは腹を見事に貫き、ドバドバと大量の赤黒い血が現在進行形で流れ出ていた。
おっと、自己紹介がまだだったな。
死の忘却を迎い入れようとしている俺は赤沼誠也(あかぬませいや)。現在、二十一歳になる。
警備会社で働いているどこにでもいるサラリーマンってところだ。
「君が悪いんだよ。誠也くん......」
うっすらと気味の悪い表情を浮かべて俺を見ている、黒い髪の美しいこの女性は......
おっと、悪い。
もう限界のようだ。俺は力尽きた。
しばらくすると、目が覚めた。
「ご機嫌麗しゅう。人間さん」
俺は椅子に座っており、目の前に長めの赤い髪、赤い瞳、赤いドレスと赤が好きなんだなぁと分かる女性が飲み物を飲んでいた。
「うーん、やはり紅茶は最高ですわね。紅茶の風味が口の中に広がり美味しいですわ」
なんとまぁ、紅茶レビューが下手だなぁと日頃、OmaeTubeでレビュー動画を見ている俺はそう思ったが、口には出さないでおいた。
「あの、ここはどこですか?」
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