神さまの言うとおり

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「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な」 人気の少ない文房具売場にで、 言葉に合わせて交互にキーホルダーを指さす少女。 その真剣な眼差しには、まだあどけなさが残る。 「て・ん・の・か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り」 その背後には、いささか気だるそうに見守る少年。 大人になりかけのその顔つきは、精悍さが特徴的だ。 「てっ・ぽう・うっ・て・ばん・ばん・ばん」 少女の指さすその先には、香箱座りをした猫のキーホルダーと しっぽを振って従順そうな犬のキーホルダーが 今か今かとその時を待つ。 「か・き・の・た・ね・お・も・ちゃ・ば・こ」 少女の指が、犬のキーホルダーでの前で止まった。 少年はやっとか、といったような安堵したような表情で 少女に声をかけた。 「決まったかな?」 するとすぐに少女の指が再び動き出した。 「な・の・な・の・な」
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