少女、紅茶香る

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「みっちゃん…!」 驚きと悲しみが入り混じったような表情で、喜沙が私を見つめる。喜沙のスマホをテーブルに置いて、私は喜沙に顔を寄せて言った。 「あのこと、忘れたわけじゃないでしょ?」 ゆっくりと、喜沙の表情が曇り始めた。わかっている。本当はこんなこと言うべきではないことくらい。だけど私には、そうするしかないのだ。同じ方法で、同じ言葉で、ずっとそれにすがりついている。この美しい私の、私だけの少女をずっと傍に繋ぎ止めておくには、これしか。 「ねぇ喜沙、あのときから、あなたはずっと私のそばにいるって約束したよね?」 「みっちゃん…」 「嫌だよ喜沙。遠い所に行かないで。私を一人にしないでよ。喜沙がいないと、怖くて不安で、今にも死にそうなの」 お願いだよ、きさぁ。そう言って、私は喜沙の唇に口づけた。私のものなんだと、誰にも渡さないという意思をこめて、まるで印を刻むように濃く、深く舐った。
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