タクくん

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部活はやっていないので、私の部活が終わるまで、図書館で待っていてくれたのだ。 部活の忙しい私は、週に一回、時間を合わせて一緒に帰るだけしか、二人で一緒にいられることがない。 でも、それもあと少し。 私も6月のインターハイの地区予選で、おそらく引退。 そうすればもう部活もないので、毎日一緒にいられるようになる。 正直、キャプテンでありながら、県大会出場するよりも、早く負けて引退したくなってしまっている自分に、少しびっくりしている。 二人の付き合うきっかけは、一年生の入学直後のオリエンテーション。 バスケ部の紹介で、男子のキャプテンとのジャンケンに負けた私が、バスケ部を代表してステージに上がることになった。 そしてうちの高校の伝統というか、文化というか… よく分かんないけど、この部活紹介は、各部の代表が、何故か蛮カラ風?に、応援団の団長チックにやることになっている。 「押忍!! 自分はバスケ部キャプテンの若野亜美であります!!」 みたいな。 それでジャンケンに負けた私が、嫌々ながらそれを壇上でやったんだけど、どうやら私のその姿に、新入生の原田拓也はビビッときたらしい。     
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