8人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんで神社ってバリアフリーがなってないわけ?」
「古いからねえ」
ノノは石畳で出来た階段を睨みつける。鳥居のすぐ際から階段は始まっており、ところどころに苔が生えている。健康な人間ですら滑る危険があるのに、車椅子では上ることは到底できない。ノノがどれだけ睨みつけても、手すりは生えないし段差がスロープに移り変わることもない。
「知ってる?ここ、掃除も地域の人がやってるんだよ?人手もお金も無いんだよ」
「皆がお参りできるよう努力はすべきよ」
「先輩のお説教じゃないんだから…」
「あたし、根性論は試合と練習の時だけって決めてるの。こう見えても国語だけは平均取れるのよ。今、計画を出来るもの変えるわ」
「国語以外も…ううん。国語も、全部もっと頑張ろう?夏季テストに向けた努力から始めない?」
ノノはキリの発言をまるきり無視して少し悩んでいたが、決断する。
「決めた!ここから始めることにする!」
「何を始めるの?」
ノノは意気揚々と鳥居を指さし宣言する。
「お百度参りよ!」
最初のコメントを投稿しよう!