お百度参り

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「なんで神社ってバリアフリーがなってないわけ?」 「古いからねえ」  ノノは石畳で出来た階段を睨みつける。鳥居のすぐ際から階段は始まっており、ところどころに苔が生えている。健康な人間ですら滑る危険があるのに、車椅子では上ることは到底できない。ノノがどれだけ睨みつけても、手すりは生えないし段差がスロープに移り変わることもない。 「知ってる?ここ、掃除も地域の人がやってるんだよ?人手もお金も無いんだよ」 「皆がお参りできるよう努力はすべきよ」 「先輩のお説教じゃないんだから…」 「あたし、根性論は試合と練習の時だけって決めてるの。こう見えても国語だけは平均取れるのよ。今、計画を出来るもの変えるわ」 「国語以外も…ううん。国語も、全部もっと頑張ろう?夏季テストに向けた努力から始めない?」  ノノはキリの発言をまるきり無視して少し悩んでいたが、決断する。 「決めた!ここから始めることにする!」 「何を始めるの?」  ノノは意気揚々と鳥居を指さし宣言する。 「お百度参りよ!」
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