プロローグ

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変形したバスは血まみれになりながら、まるで血を追い求める化け物のように尚更、スピードを増したようだった。 さっき叫んで走っていた男にも追いついたバス。 「ぎゃーーーーっ」という叫び声を上げた男。 ゆっくりとスピードを緩めたバスのタイヤが男の背中に徐々に乗っかり ボキボキッ 骨が砕ける音がトンネル内に響いた。 男の体がバスの下に吸い込まれて行き、やがて見えなくなった。 おびただしい鮮血がトンネル内の壁、天井、床に飛び散りバスは真っ赤な色に車体を染めていた。
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